肉離れ・捻挫

肉離れ

肉離れの発症時には、「ブチッ」「バチッ」という断裂音を自分で感じることがあるほど衝撃があり、強い痛みを伴うことが多い傾向にあります。

痛みの症状

・伸ばしたときの痛み(ストレッチ痛)

・押したときの痛み(圧痛)

・力を入れたときの痛み

痛みの度合いは、肉離れの重症度によって異なります。

筋肉が完全断裂しているような重症な肉離れでは、腫れや凹み、内出血を起こし青くなったり、安静にしていても痛みを感じることがあります。

起きやすい場所

ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)

大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)

下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)

サッカーをする人では、内転筋(太ももの内側の筋肉)にもよくみられます。

上肢や腹筋に肉離れが起こることは稀ですがあります。

起きやすい状態

特に筋肉が硬くなっている状態でスポーツをするときには、肉離れに注意が必要です。

筋肉が硬いと、引っ張られた力に対して筋肉が縮もうとする力が強い状態にあります。

このとき筋肉が伸びない状態で、無理矢理、筋肉が伸ばされることで、収縮する筋肉が引っ張られる筋力に負けると断裂してしまうなど、肉離れを発症しやすくなります。

予防・対策

肉離れは、急なスタートダッシュやジャンプをした後に発症することが多く、このような動きをするスポーツや状況で、筋肉が硬くなっていると、いつでも発症する危険性があります。

スポーツなど動かなければいけないときには、急に激しい動きをせず、ラジオ体操や動的ストレッチなどで、筋肉をしっかり温めてから動くようにしてください。

※スポーツ前の静的ストレッチ(ただ伸ばすだけのストレッチ)は、寧ろ、ケガの原因になりやすいため危険です。

なってしまったときの対処法

応急処置POLICE(Protection=保護、Optimal Loading=適切な負荷、Ice=冷却、Compress

ion=圧迫、Elevation=挙上)が基本です。

内出血しているときには、しっかりIce=冷却してください。

肉離れと間違えやすい症状は?

・こむら返り

肉離れと間違えやすい症状に「こむら返り(足がつること)」があります。

特にふくらはぎに起きた場合、見分けが難しいことがあります。

こむら返りは、疲労や電解質不足で起こることが多く、発症時に筋肉が痙攣することが特徴です。

痛みを感じたときに筋肉の痙攣を感じた場合には、こむら返りの可能性が高いです。

こむら返りの場合には、筋肉が収縮状態になるため、しばらく力が入ったまま力が抜けませんが、肉離れの場合には筋肉が損傷しているため、通常は筋肉に力が入らなくなるという違いがあります。

・筋膜炎

重度の筋膜炎(筋肉の炎症が起こること)も肉離れと見分けが難しいことがあります。

・筋挫傷

筋挫傷は「何かにぶつかったとき」などの筋肉が損傷するケガで、肉離れと似たような症状がみられます。

筋挫傷の場合は、「外からの強い衝撃が加わることで発症する」という明らかな受傷機転があります。

捻挫

足首に起こるイメージの強い捻挫ですが、じつは捻挫は全身の関節のあらゆる場所で起こり得る症状です。

特に足首の捻挫は、日常生活中の転倒やスポーツ時の足を捻る動作などで起こる身近な疾患です。

典型的な足首の捻挫は、足首の内反により、外側の靭帯である「距腓靭帯」「前距腓靭帯」「後距腓靭帯」が伸びたり切れたりするものです。

足首の内側にも「三角靭帯」と呼ばれる靭帯が存在しますが、距腓靭帯に比べると強く損傷しにくい靭帯です。

また、日常動作で足が外側に反ることは少ないため、内反による捻挫の頻度が圧倒的に高いことが、捻挫の1つの特徴です。

捻挫してしまった時のセルフケア

受傷直後に痛みや腫れ、炎症があるときは応急処置として「RICE処置」を行ってください。

REST:安静 ICE:冷却 Compression:圧迫 Elevation:挙上

できるだけ動かさず、炎症を抑えるため氷嚢や保冷材で冷やし血管を収縮させます。テーピングなどでしっかり固定し、眠るときは枕を足の下に入れるなどして、心臓より患部が高くなるようにします。

捻挫をしてしまったときは、早く治すため、入浴や飲酒、運動のように、温める・血流を上げる・動かすなどの行動は避けてください。

当院では、手技療法による筋膜リリースと急性症状に効果的な「マイクロカレント」という電気や超音波などにより、腫れや痛みの緩和・改善をはかります。

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